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けがれなき酒のへど [本]

友川カズキ×西村賢太の対談(友川さんヨワ!完全に圧倒されたんじゃないか!ww)をきっかけに、ちょっと西村賢太を読んでみました…

『けがれなき酒のへど』
『暗渠の宿』
『苦役列車』
『落ちぶれて袖に涙のふりかかる』

確かにすごい。

つい、まあ、一気じゃなかったが、読書苦手な私のわりにかなりのスピードで小説四篇を読み終わった。

漱石や川端もまだ読んでいない私の知る日本人作家が極めて限られているので、最初はなんだかradical(よりaggressive?)版の義春だなと思っちゃった。読むにつれて、西村賢太の存在がどんどん大きくなり、むしろこれから誰かほかの作家の作品を読む時、西村賢太の名前を思い出すだろう。まあ、基本的に平和主義のフェミニスト(なにそれ=.=)として、やっぱり義春のほうが好きですが(笑)。『暗渠の宿』を読んだ時、よくあそこまで付いていきたいなと感心した自分もいるんで(笑)。

『けがれなき酒のへど』ってタイトルが好きですね。もちろん文章も相変わらずすごい。作品としては『苦役列車』が一番好きでしょう。19の主人公はまだ「あそこまで」行く経済力を持ってなかったためか、『暗渠の宿』の蒸し暑く狭い空間で二人で腐るという感じに比べると、なんかどこまでも広く寒く風が強く人気もなにもない荒れた海辺で一人で腐っていくと勝手に感じしましたね。私の好きなbleakって感じ。

『落ちぶれて袖に涙のふりかかる』に共感したのは、やっぱり私も毎日反省しまくって、そして反省すればするほど死にたくなるのにいつまでも死ななくて、ただバカに大きいエゴ v.s. どうしようもない自己嫌悪の戦場になってる人間であるからだろう。小説書けないのに!マジやばい!

ちなみに、新潮文庫『苦役列車』の解説を書いたのは石原慎太郎ですね。西村賢太が好きな人に国の政治を任せられるもんか!(笑)


暗渠の宿 (新潮文庫)

暗渠の宿 (新潮文庫)

  • 作者: 西村 賢太
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/01/28
  • メディア: 文庫



苦役列車 (新潮文庫)

苦役列車 (新潮文庫)

  • 作者: 西村 賢太
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/04/19
  • メディア: ペーパーバック



【5月1日】

「苦役列車」の映画をついでに見ましたが、青春のない青春小説が友情と夢の青春映画になったのはなんでだろう。日下部が貫多よりも胡散くさく見えるのはなんでだろう。美奈子も違うだろう。康子ちゃんって何なんだ。なに「友達だったね、ありがとう」、なに「お前案外いい人」、なに「それでも小説書きたい」…まあ、小説書きたいって本当のことだろうが、そんな自己の「夢」で好きでもない人を励ますことなんてしないだろう。人百倍繊細に違いないが、いい人なんかじゃないだろう…久しぶりの山下敦弘作品ですが、昔からこんなに前向きだっけ?

wikiによると、原作者が映画について「中途半端に陳腐な青春ムービー」と書いたことがあるそうです。ひどいですよ!その通りですよ!ハハハハハハハ!


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